3月3日【ひな祭り/桃の節句】

雛人形と桃の花を飾り、女の子の健やかな成長を祈る行事です。
元々はお祝いというよりも、厄除けとして雛人形に身代わりとなってもらうという儀礼的な意味があったようです。

行事食:ちらし寿司
現代のひな祭りで最も食されているだろう行事食のちらし寿司。
おせち料理の具材のいわれと同じで、海老は長寿を、レンコンは将来の見通しが良い、といった意味がこめられています。 沢山の具材を使うことで、将来食べるものに困らないようにという意味と、色鮮やかで春を運んでくれるというお祝いに向きます。

代表的な具材は、えび・れんこん・玉子・かにかま・いくら・菜の花・椎茸・おぼろ(でんぶ)、など。
純粋な和食ではなくなりますが、最近ではサーモン・アボカド・チーズなどを使用する方もおられます。


行事食:白酒
もともとは健康と長寿を願った「桃花酒(とうかしゅ)」という桃の花を浮かべたお酒があったとされますが、江戸時代より一般的には白酒が用いられていたそうです。
白酒には、胎内に悪い子が宿らないようにという穢れを祓う意味があるとされます。
しかし白酒は「お酒」であるため、二十歳未満の方も飲めるようにとひな祭りにはどちらかというと甘酒の方が重宝されます。

ちなみに、白酒(お酒)は当然家庭で製造してはいけませんが、甘酒はお酒ではありません(アルコール度数1%未満)。なので家庭で製造しても問題ありません。

行事食:はまぐりの吸い物
はまぐりの貝殻は、対の貝殻以外とは形が合わないことから一生一人の相手と添い遂げられるようにとの意味があります。
ちらし寿司と合わせてお吸い物を食べる時は、折角なのではまぐりの吸い物にしたいですね。

行事食:菱餅(ひしもち)
ひし形で桃・白・緑の3段重ねのものが一般的ですが、地方によっては2段〜5段、それ以上のものもあるそうです。
それぞれの色は「桃の花・生命」「雪」「新緑・芽吹き」などの意味を持ち、春らしさを表しているという説があります。

菱餅の食べ方について尋ねられることが度々ありますが、名前の通りおもちなので焼いたり煮たりして食べます。まだまだ寒い時期ですので、ぜんざいに入れても美味しく召し上がれます。
砂糖が入っている物は焦げやすいので注意してください。

また、おもちではなく和菓子(ういろうやまんじゅう)として販売されているものも多くあります。

行事食:ひなあられ
ひなあられは、関東と関西ではまったく別の物になっています。
関東では、米(餅)に砂糖で味付けした甘いお菓子ですが、関西では醤油・塩で味付けした辛いお菓子です。
見た目やこめられた意味は同一で、菱餅と同じ配色・由来を持ちます。
また、黄色を足した4色の場合は四季をあらわし、一年を通して健康に暮らせるようにとの願いがこめられます。